寝たきりの要介護者を介助する場合、毎日体位変換をしなければなりませんが、やり方を間違えていれば身体に負担がかかります。そのため、基本的なコツは掴んでおいた方が良いでしょう。体位変換ではまず、ベッドの高さを調整することが大切です。高さ調整機能が付いているベッドであれば、必ずその機能を使うようにしましょう。高さが変わる時間がもったいないからといって調整せず、合わない高さで体位変換すると、腰や膝に余計な負担がかかります。

そして、介護でよく行う体位変換は、正しい手順がすでに確立されていますが、それを自分流にアレンジしないことも大切です。例えば、仰向きの状態から横向きにする場合は、まず手を組ませて膝を曲げるのが基本です。そうすることで、身体が回転しやすくなります。そのような一連の動作は、少ない力で体位変換ができるように工夫されています。そのため、必要なさそうだからといって、一部を省くのは止めましょう。

また、一連の動作をひとつひとつしっかりと行うことも重要です。全ての動作を短時間でテキパキとこなすのが理想的ですが、あまり慣れていないのであれば、動作ごとに数秒空け、問題なく行えているかを確認した方が良いでしょう。

寝たきりの要介護者でも、少しくらいであれば身体を動かせることがあります。その場合は、体位変換の際に協力してもらった方が良いです。動作をする前に、どのような動きをさせるのかを伝えて、掛け声と一緒に動かすと、要介護者が少しだけ力を入れてくれるかもしれません。そうすると、何もサポートがないよりも、スムーズな体位変換がしやすいです。このようにちょっとした工夫で介助しやすくできますので、介護の基本となる体位変換のコツを知り、身体の負担を軽減して仕事に取り組んでください。